酸度は平均がおすすめ
日本酒のラベルに「酸度」と言う表記を見たことがあるかもしれません。
結論、失敗しない日本酒の選び方としては
酸度は平均くらいを選ぶのがおすすめです。
今回は「酸度」と失敗しない日本酒の選び方について解説していきます。
「酸度」って?
「酸度」とは「日本酒に含まれる酸の量」を表す数値です。
「え、日本酒って別に酸っぱく無いよね?」
たしかに「酸」と聞くとお酢のようなツンとした酸っぱさやフルーツのような甘酸っぱさがイメージされると思います。
実は日本酒にもわずかに酸が含まれるのです。
日本酒は発酵食品です。
その発酵の過程でいろいろな種類の酸が発生するのです。
酸度はおおむね0.5~3.0の値で表現され、酸度が高くなるほど数値が高くなります。
酸度の平均値は1.3程度です。
酸度と味の関係
日本酒の酸は酸っぱいだけじゃない
日本酒に含まれる代表的な酸は以下の通りです。
(わからなくても大丈夫です。ご参考まで。)
- 乳酸=ツンとした酸味、わずかな苦味(ヨーグルトに含まれる)
- リンゴ酸=爽やかな酸味(リンゴに含まれる)
- コハク酸=酸味、うまみ、苦味、舌がぎゅっとなる感じ(あさりに含まれる)
なんだか専門的な酸の名前を出して何が伝えたかったかと言うと、
これらは一言に「酸」と表現されますが、
酸っぱい味だけではなく、うまみ、苦味なども持っていると言うことです。
酸度は甘口・辛口にも影響する
酸度は実は日本酒の甘口・辛口に影響するのです。
以前の記事で甘口・辛口は「日本酒度」で表される、と書きましたが厳密に言うと「日本酒度」×「酸度」で決まります。
ちょっとややこしいので詳しい解説は後日行います。
簡単に説明すると、
日本酒に含まれる酸には、味を引き締める効果もあるので
- 酸度が高ければキレのある辛口
- 酸度が低ければやさしい甘口
という傾向があります。
失敗しない選び方は?酸度編
酸度は
1、酸味、うまみ、苦味に関係
2、甘口・辛口に関係
するということを解説しました。
では、酸度をヒントにした失敗しない選び方はどのようなものでしょう?
それは、平均値(1.3前後)を選ぶことです。
「1、酸味、うまみ、苦味に関係」するという観点からは
酸度が高くなるほどこれらの味覚の要素が増えていくと言うことを意味しています。
平均が1.3程度なのでこれを大きく上回ると、
苦味や余計なうまみが雑味として感じられたりします。
ものによってはちょっと腐敗臭的なにおいがしてきます。。。
「2、甘口・辛口に関係」するという観点からは
酸度が高くなるほどキレはいいのですが、酸由来のぴりっとした刺激を感じるようになります。
一方、酸度が低い場合には刺激がないので全体的に「もったりとした」味になる印象です。
なので酸度は平均値1.3前後を選ぶというのが失敗しない選び方かなと思います。
例えば1.0~2.0くらいまでならいいかなという印象です。
おすすめ銘柄
寫樂(しゃらく)
出典:冩楽 | 商品概要 | 宮泉銘醸株式会社 宮泉銘醸株式会社HP
URL:http://www.miyaizumi.co.jp/sake/
福島県宮泉銘醸の寫樂(しゃらく)。
ほのかにフルーティな香りと
濃いめの甘味にちょうど良い酸味が加わります。
比較的甘さをしっかり感じるのですが、
酸味とわずかな苦味によって全体が引き締められスッキリまとまったお酒。
「すんっ」としたおしゃれさのある私も大好きなお酒です。
飛露喜(ひろき)
出典:飛露喜 蔵元紹介 会津酒楽館 有限会社渡辺宗太商店HP
URL:http://www.hechima.co.jp/~souta/hiroki/kura_shokai.html
こちらも福島県のお酒、飛露喜(ひろき)です。廣木酒造本店さんです。
甘味、うまみ、酸味のバランスがとてもいい銘柄。
口当たり軽やかで飲み口爽やか、キレも良しです。
味の濃さがちょうど良く、飲み飽きしないし食中酒にもぴったり。
また、注いだ瞬間から華やかな香りが漂うので、
飲む前からテンションが上がります。
まとめ
酸度をヒントにした失敗しない日本酒の選び方をお伝えしました。
- 酸度は日本酒に含まれる酸の量を示した値
- 平均値の1.3前後を選ぶのが失敗しない選び方
- 日本酒の酸は酸っぱいだけじゃない。うまみや苦味も含む。
- 酸度は1、酸味、うまみ、苦味に関係、2、甘口・辛口に関係
- 酸度が高すぎると腐敗臭的なにおいが気になる
- 酸度が低すぎるとキレがなく「もったり」した味に
- おすすめ銘柄1:寫樂(しゃらく)(甘味にちょうどいい酸味が加わる)
- おすすめ銘柄2:飛露喜(ひろき)(味のバランス良し、キレよし、香りよし)
酸度を参考にして失敗しない日本酒を選んでみてくださいね!