何が違う?おりがらみ、にごり酒、どぶろく。自分に合ったにごりを選ぼう!

日本酒の選び方

こんにちは!かりこです。

今回はおりがらみ、にごり酒、どぶろくなど「白く濁ったお酒」についてです。
この記事を読むとこんなことがわかります。
・濁ったお酒の種類の違いがわかって自分に合ったものを選べるようになる

それでは早速お話ししていきます!

「普通のお酒」と「濁ったお酒」の違い

どのくらい濾す(こす)かの違い

日本酒には「発酵(はっこう)」が欠かせません。
そもそもお酒になるためのアルコール分や、飲んだときに感じる甘さ、あの日本酒特有のふわーっとしたいい香りも全て発酵させることによって造り出されています。

発酵させるためには、酵母(こうぼ)や麹(こうじ)といった微生物達に働いてもらう必要があります。

微生物たちが働くためにはたくさんの栄養分と水分が必要です。
私たちが飲む日本酒はとっても澄んで透明ですが、最初からあんなに澄んでいるわけではありません。
日本酒の「もと」となる栄養たっぷりのお米と水の混合物の中で働いてくれるのです。
この混合物、最初はお米が粒の状態で存在しているのですが、微生物による発酵が進むにつれてだんだんと粒が溶けて濃厚な甘酒のような状態になっていきます。

十分発酵させてアルコール分や甘味成分、香り成分を引き出したあとに、これを 濾す(こす)工程が入るのですね。

この濾す工程はいくつかステップがあって、それぞれのステップでどういう作業をするかによって「濾される程度」に違いが出てきます。

一般的な日本酒は透明になるまでとことん濾します。
一方、濁ったお酒はあまり濾さずに仕上げます。

この濾される程度がどのくらいかという違いによって、濁ったお酒にも種類があるのですね。
それを次に解説していきます。

おりがらみ、にごり酒、どぶろくの違いと特徴

濁ったお酒はおもに3種類です。
・おりがらみ
・にごり酒
・どぶろく

それぞれ「濾される程度」が違います。
どろどろの白い混合物の状態から、どのくらい透明に近づけるかということですね。

違いをまとめました。

ちなみに「無濾過」というものもあります。
これは濁ってはいないのですが、一般的な日本酒に比べると活性炭素を使った濾過(ろか)を行わないという違いがあります。
(一般に無濾過といっても、全く濾過をしないわけではありません。全く濾過をしないものは「完全無濾過」と呼ばれます。)

今回詳しくは触れませんが、活性炭素を使わない場合、お酒のもとに含まれる香り成分が除去されずそのままお酒に残るので、そのお酒が持つ風味そのままの濃厚な風味が特徴です。

無濾過は「甘うま感」が強いイメージがありますね。あとは香りが面白いです。澄んだ香りではなく、甘酒っぽいふわーっとしたやさしく包んでくれるような香りです。

さて、本題に戻ります。

「濾す工程」は大きく分けて4ステップあります。
step 1 上槽(じょうそう)=布などを使って搾る
step 2 おり引き=沈澱させて上澄(うわずみ)を採取
step 3 活性炭素=炭の粉を入れて成分を吸着
step 4 フィルターに通す

step1→step 4に進むのに従って、取り除かれる「おり」の大きさがどんどん小さくなっていきます。
最初はザルで大きな粒を除いて、次にもう少し目の細かいフィルターを通すみたいなイメージですね。

一般的な日本酒

一般的な日本酒はこの4つのステップを全てしっかり行います。
そうすることでお米の粒や「おり」はほぼ完全に取り除かれてあの透明な清酒が出来上がるのですね。

「おり」の成分はほぼ除去されているので、にごりがなくさっぱりとした味です。

日本酒といえばあの澄んだ感じがいい、という方はとことん濾して造った綺麗なお酒である一般的な日本酒をお勧めします。

おりがらみ(ささにごり、うすにごり)

おりがらみはささにごり、うすにごりとも呼ばれます。

おりがらみはstep1までは一般的な日本酒と同じです。
その後、step 2 おり引きと呼ばれる「おり」を沈澱させてその上澄み(うわずみ)を採取するステップを行わない、あるいは沈澱した部分をあえて採取するという方法によって造られます。

おりがらみはその名の通り若干「おり」が含まれているので全体がほんのり濁っています。

おりがらみのお酒の瓶をしばらく置いておくと、底に1~2 cmくらいの「おり」が沈みます。
飲む直前にゆっくり瓶を振るとそれが全体に広がってほんのり濁ります。

おりがらみは濁っているお酒の中ではもっともさっぱりしています。一般的な日本酒の澄んだ感じと、「おり」が含まれることによるお米の甘味や旨味のいいとこ取りができますね。

おりがらみをはじめとして濁ったお酒はお酒作りの際に活躍してくれた酵母などの微生物が生きていることがあり、商品となって瓶詰めされた後でも少しずつ発酵が進んで、細かなガスを発生させることがあります。

飲むと少しパチパチとして舌に爽やかな刺激を与えてくれます。
お酒自体が比較的濃厚なので、濃厚さと爽やかさの両立が面白いです。

普段飲んでいる一般的な日本酒にちょっと甘味のアクセントが欲しいなと感じる方若干甘めのお酒が好きな方にお勧めです。

にごり酒

にごり酒はstep 1で粗く搾ります。
一般的な日本酒やおりがらみは目が細かい布などを使って搾るのですが、にごり酒はここで目が粗い布を使うのです。

目が粗い布を使うと、中くらいの大きさのお米の粒は布に捕まることなく通過し、最終的なお酒に残ることになります。

にごり酒は、おりがらみに比べると「おり」の量が多く粒も大きいです。濁ったお酒の中では中間のレベルです。

瓶を振ると全体がかなり濁ります。

味としては、お米本来の甘味や旨みが感じられます。
結構しっかり「おり」が混ざっているので飲み口がまろやかになるのが特徴ですね。

にごり酒も生きた微生物が瓶内発酵を進めてガス感が感じられることが多いです。

おりがらみだと物足りないし、どぶろくまで行ってしまうと「おり」が多すぎて邪魔だし、という方はにごり酒くらいがおすすめです。

また、比較的濃厚な味なのであたためて飲むのもおすすめです。

最近だと「仙禽 雪だるま しぼりたて 活性にごり」が人気ですね。

若々しくみずみずしいラ・フランスの様な香りが広がり、 口に含むと上品な甘さが一瞬に広がります。優しい微かなモロミの軌跡が、にごり酒でありながら 繊細さと軽快な味わいを演出。

出典:IMADEYA ONLINE STORE
https://www.imaday.jp/c/sake-set/sake-set-01/sake-set-01-03/gd10035

どぶろく

最後にどぶろくです。

どぶろくは微生物による発酵をした後、搾らず、濾過もせず仕上げます。
お米の大きな粒が残っていて全体は真っ白く濁っています。
発酵の過程でお米は溶けるのですが、溶け残ったお米の粒や大量の「おり」が含まれます。

とにかく濃厚!「おり」由来のどっしりとした飲み応えのあるお酒です。甘酒のアルコール入りバージョンといった感じですね。

お米の甘味と旨味を最も強く感じられる種類のお酒です。
どぶろくも生きた微生物が瓶内発酵を進めてガス感が感じられることが多いです。

甘酒が好きな方や、お米の粒感をしっかり感じたいという方にお勧めです。

どぶろくはとにかく濃厚なので、冬の寒い時期にぴったりです。
お米の甘味と旨味がダイレクトに感じられます。

まとめ

今回は濁ったお酒に焦点を当ててお話ししてきました。
濁ったお酒は3種類で、それぞれの造り方の違いや味の特徴をお話ししました。

濁ったお酒は、お米の甘味や旨味がダイレクトに感じられることに加えて、生きた微生物による瓶内発酵で発生するガス感が魅力の一つかなと思います。

みなさんも今回の記事を参考に、濁ったお酒にチャレンジしてみてください!

(参考:日本酒 完全バイブル 株式会社ナツメ社)

コメント

タイトルとURLをコピーしました