【ひと目で分かる】特定名称酒8タイプ早見表。これで完璧!日本酒分類

日本酒の選び方

「日本酒の分類って何回聞いてもよくわからん。純米大吟醸、特別純米?とか、、、」
「大吟醸とか名前はすごいけど、これほんとに自分にベストなタイプかな?」

そんな方に向けて日本酒の分類=特定名称酒をどこよりもわかりやすく、どこよりも丁寧に解説しました。

さらに、原材料や製法がどうで、こうで、というマニアック話だけではなく、それぞれのタイプが香りや味とどう対応しているのか超わかりやすく解説しています。

この記事を読めば、こんな事がわかります。

・日本酒の分類(=特定名称酒)とは
・日本酒の分類(=特定名称酒)ごとの味の特徴
・自分にあった日本酒の分類(=特定名称酒)がひと目で分かる

日本酒好きにとって重要な日本酒の分類である特定名称酒をマスターしたら、もう日本酒選びの基本はOKです!

「そういう風に分けられてたんだ!意外とシンプル!」
「やっとわかった!自分が一番好きそうなタイプはこれだ!」

そう感じていただけると思います。

この記事を読めば次の日本酒選びは、失敗なく、もっと自分に合った好きなものを選べるようになります!

日本酒の分類=「特定名称酒」とは

特定名称酒は特別な日本酒?

まず、特定名称酒とは何でしょう?
特別で高級な日本酒のことでしょうか?
特定名称酒は、特別な日本酒というわけではありません。

「特定」という言葉のイメージから「なにか特別な日本酒かな」と思うかもしれませんが、日本酒好きな方が飲んでいる日本酒は、ほぼ特定名称酒と言って良いくらいだと思います。

特定名称酒とは、純米大吟醸とか、特別純米とか、本醸造とかいう名前がついている日本酒のことです。

居酒屋や酒販店でよく見かける名前ですよね。

そう、実は皆さん無意識に特定名称酒を飲んでいるんです。

特定名称酒とは、厳密に言うと下記の条件を満たす日本酒のことです。
が、ここは重要ではないので覚えなくてOKです。

特定名称酒の条件(覚えなくてOK):
・麹米(こうじまい)の使用割合が15%以上であること
・原料米は農産物検査法によって3等以上に格付けされたもの、もしくはそれに相当する米であること

「じゃあ特定名称酒じゃない日本酒は、なんなの?」

それは「普通酒」と呼ばれる日本酒です。

すべての日本酒は酒税法により「特定名称酒」と「普通酒」の2つに分類されます。

このうち「普通酒」というのは主にスーパーやコンビニに売っているパックやカップに入った日本酒のことです。

パック酒やカップ酒を否定するわけではありませんが、日本酒好きな皆さんはきっと、大吟醸とか純米とか書いてある日本酒に興味があると思います。

なので、日本酒好きな方が日本酒選びをする上で理解しておくべきは特定名称酒なのです。

この記事では特定名称酒に話をしぼって解説していきます。

特定名称酒は8タイプ

特定名称酒は次の8タイプです。

特定名称酒8タイプ:
1:純米大吟醸
2:純米吟醸
3:特別純米
4:純米
5:大吟醸
6:吟醸
7:特別本醸造
8:本醸造

1〜8までの番号は説明の都合上、筆者がつけました。

この8タイプは何によって分類されているかと言うと、次の3つです。

特定名称酒8タイプの分類方法:
・原材料
・精米歩合
・製法

つまり、8つのタイプはそれぞれ「原材料」✕「精米歩合」✕「製法」の組み合わせが違うということです。

特定名称酒は4つのポイントだけで理解できる!

「特定名称酒8タイプ、それぞれどう違うの?」
「えー、8タイプとか覚えづらい。無理。ビール飲も」

そう思った方、大丈夫です。

今回、どのように分類されているかひと目で分かるように図にしました。

この図をもとに4つのポイントを押さえれば完璧です。

特定名称酒は4つのポイントで理解できる:
・ポイント1:純米酒系=お米本来の甘味と旨味
・ポイント2:本醸造酒系=さっぱり目
・ポイント3:吟醸酒系=華やかでフルーティな香り
・ポイント4:精米歩合が高い=深みのある味、精米歩合が低い=澄んで綺麗な味

特定名称酒8タイプは、大きく3つに整理することができます。

それが純米酒系」「本醸造酒系」「吟醸酒系です。特定名称酒の分類と味の傾向に関しては、この3つに加えて精米歩合との関連を知っておけば完璧なのです。

順番に解説していきます。

ポイント1:純米酒系=お米本来の甘味と旨味

純米酒系とは「純粋」な「米」。つまり、お米と、お米を原料にして造った米こうじと呼ばれる微生物だけで造られたということを表します。この分類を「純米酒系」と呼びます。

上の図だと1,2,3,4が純米酒系に該当します。

そうじゃないのは何なの?というと、お米と米こうじに加えて醸造アルコールというアルコール成分を添加するものです。この分類は「本醸造酒系」と呼びます。これは後ほど解説します。

純米酒系はお米と米こうじのみで造られているため、お米本来の甘味と旨味が味わえるのが特徴です。

味の濃淡は精米歩合によって変わり、精米歩合が高いほど深みのある味、精米歩合が低いほど澄んで綺麗な味です。これも後述します。

純米酒系の見分け方は簡単です。

純米酒系はラベルに「純米」というワードが書かれています。
単に「純米」と書いてあったり「特別純米」「純米大吟醸」といろいろな言葉がくっついていることがありますが、とにかく「純米」というワードが入っていたら純米酒系=お米本来の甘味と旨味が特徴だな、と見分けられます。

ポイント2:本醸造酒系=さっぱり目の味

「本醸造酒系」とは原材料としてお米と米こうじに加えて醸造アルコールという調整用のアルコール成分を添加している日本酒のことです。

上の図だと5,6,7,8が本醸造酒系に該当します。

本醸造酒系はアルコール成分を添加しているため、味わいとしてはさっぱり目です。

ちなみに、醸造アルコールを添加するのは決して悪いことではありません。お酒を造るひとが思うような酒質にコントロールするために添加されるので酒質が安定しています。

本醸造酒系の見分け方は、純米酒系に比べると難しいです。
なぜなら「本醸造」と書いてなくても本醸造酒系のものがあるからです。それが5:大吟醸、6:吟醸です。

なので、本醸造酒系かどうか見分けるには裏ラベルの原材料表示を見ましょう。原材料表示に醸造アルコールが入っていて、しかも精米歩合が70%以下であれば本醸造酒系です。

(原材料に醸造アルコールが入っていて、精米歩合が70%より高いものは特定名称酒の分類を外れた「普通酒」の分類になります)

ポイント3:吟醸酒系=華やかでフルーティな香り

ポイント1「純米酒系」とポイント2「本醸造酒系」は原材料での分類でした。つまり、醸造アルコールを添加しているかどうか、です。

一方、吟醸酒系は原材料ではなく造り方による分類です。

吟醸酒系とは「吟醸造り」という製法で造られた日本酒のことを指します。吟醸造りとは、よく磨かれたお米を使って長期低温発酵させ吟醸香(ぎんじょうか)と呼ばれる芳香を引き出す製法のことです。

要は「よく磨かれたお米を使って時間をかけて大切に造った」ということですね。

上の図だと1,2,5,6が吟醸酒系に該当します。

吟醸酒系とは造り方による分類なので、原材料による分類である純米酒系、本醸造酒系と重なっています。

純米酒系で吟醸酒系でもある→1,2
本醸造酒系で吟醸酒でもある→5,6

吟醸造りは主に香りに特徴があり、華やかでフルーティな香りを楽しめます。

近年流行のタイプの一つと言えるでしょう。

吟醸酒系の見分け方は簡単です。

吟醸酒系はラベルに「吟醸」というワードが書かれています。
単に「吟醸」だけの場合と「大吟醸」の場合がありますが、いずれにせよ吟醸というワードが入っていたら吟醸酒系=華やかでフルーティな香りの日本酒だな、と見分けられます。

ポイント4:精米歩合が高い=深みのある味、精米歩合が低い=澄んで綺麗な味

精米歩合(せいまいぶあい)とは「どのくらい削ったお米を使っているか」ということです。
まったく削っていないお米=精米歩合100%
とても削ったお米=精米歩合10%
と言った感じです。(精米歩合10%は現実的ではありませんが)

基本的に精米歩合が低い=お米を削るほど日本酒は澄んできれいな味になります。なぜかと言うと雑味のもとにもなる成分が削ぎ落とされた状態で日本酒が造られるためです。精米歩合が低いほうが高級な日本酒とされています。

一方、精米歩合が高い=お米をあまり削っていないと深みのある味わいになります。ヘタな日本酒にあたってしまうと雑味として感じられてしまうのですが、良質な日本酒はふくよかで深みのある風味として感じられます。

個人的には、精米歩合が低ければ低いほどよいというわけではないと思います。お米を削りすぎるとそのお米、その酒蔵さんの個性が削ぎ落とされてしまうからです。

とはいえ、精米歩合が高い日本酒で美味しいものをいきなり選ぶのは難しいので、初心者の方は精米歩合が低い日本酒を選ぶのが失敗しないコツです。

その中でも、1:純米大吟醸はお米本来の甘味と旨味を適度に感じられて雑味がなく、吟醸造り由来の華やかでフルーティな香りが楽しめるので最もおすすめです。

参考記事>「純米大吟醸」が正解!超簡単 失敗しない日本酒の選び方

まとめ

今回は特定名称酒=日本酒の分類と味の傾向について解説しました。

・日本酒は特定名称酒と普通酒の2つに分類される
・普通酒は主にパック酒やカップ酒
・日本酒好きなら特定名称酒を理解しておきたい
・特定名称酒の分類と味・香りの傾向を理解する4つのポイント
 ・ポイント1:純米酒系=お米本来の甘味と旨味

 ・ポイント2:本醸造酒系=さっぱり目
 ・ポイント3:吟醸酒系=華やかでフルーティな香り
 ・ポイント4:精米歩合が高い=深みのある味、精米歩合が低い=澄んで綺麗な味
・初心者の方、日本酒選びで失敗したくない方は1:純米大吟醸 がベスト

純米大吟醸とか、吟醸とか、よくわからなくなったら今回の記事を参考にして下さいね!
皆さんの日本酒選びに役立ちますように!

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