ひやおろしの旬な時期は?味の特徴は?完全ガイド

日本酒年間スケジュール

「ひやおろしってなに?普通の日本酒とどう違うの?」
「ひやおろしの旬な時期はいつ?」

そんな方に、ひやおろしの味の特徴、旬の時期を解説します!
筆者自身、毎年何本ものひやおろしを飲むのでかなり詳しく解説しています。

ひやおろしは期間限定酒です。ひやおろしの特徴や発売時期を抑えて、美味しいお酒を逃さないようにしましょう!

ひやおろしとは

ひやおろしとは簡単に言うと「秋の期間限定日本酒」です。
ひやおろしは以下の2つの特徴を持つ日本酒のことです。

・冬場に造ったお酒を秋まで寝かせて出荷する
・二度目の火入れをしない

・冬場に造ったお酒を秋まで寝かせて出荷する

ひやおろしとは、冬場に一気に作った日本酒を秋まで寝かせてから出荷するものです。

どういうことかというと、日本酒を造っている酒蔵さんは年間を通して日本酒を出荷しているのですが、実はその日本酒の全ては冬場に仕込まれます。
(ただし一部の酒蔵さんでは冷蔵設備や醸造技術の発達により、1年を通してお酒を造っているところも増えているとのことです。)

ひやおろしは冬場に造ったお酒をすぐに出荷せず、秋まで寝かせてから出荷します。

なぜ寝かせるのかというと、寝かせることによって日本酒は熟成され、香りや味がまろやかになるという効果があるのです。

・二度目の火入れをしない

通常の日本酒は、2度に渡って「火入れ」と呼ばれる加熱処理をします。
①搾ったあと②出荷前です。

一方、ひやおろしは①搾ったあとの火入れを行うのに対し、②出荷前の火入れを行いません。

そうすることでフレッシュな味わいをなるべく残しつつ安定した酒質を提供できるのですね。
「①搾ったあと」に火入れをしているのでそこで発酵はある程度止まります。なので酒質としては安定しています。
そして「②出荷前」の火入れを行わないことによって風味が飛んでしまうのをおさえることができるのですね。

ちなみに「秋あがり」もひやおろしと同じ意味の言葉として使われます。

ひやおろしの味の特徴

一般的なひやおろしの味の特徴は下記の通りです。

・香りはおだやか
・なめらかな口当たり
・まろやかな味わい
・ひと夏熟成された旨味

ひやおろしの香りは一般的におだやかです。おちょこに鼻を近づけるとほのかな麹の香りがするようなイメージです。

ひやおろしは秋まで寝かせてから出荷することと、搾った直後の火入れを行うことで口当たりは刺激が少なくなめらか、香りや味わいはまろやかな仕上がりになります。さらに、ひと夏熟成されることで旨味が増す銘柄が多いのも特徴です。

ひやおろしの発売時期・解禁日

ひやおろしの発売時期・解禁日は以下のとおりです。

・発売時期:9月〜11月
・個人的には9月がゴールデン期間
・ボジョレーヌーボーと違ってひやおろしに解禁日は特にない

ひやおろしは通常9月頃から発売が始まります。最近は早いものだと8月の終わり頃から発売されるものもあります。気になる銘柄がある場合は8月からチェックしておくのが良いですね。

また、個人的には9月がゴールデン期間です。というのも、秋が深まるに従って香りと味がどんどんまろやかになり過ぎるからです。ひやおろしは全体的にあまり香りも味も際立つと言うよりは穏やかで、それが良い特徴です。ただ、あまりにも穏やかになりすぎると香りも味も弱く、日本酒特有の苦味が際立ってきてしまう印象があります。ひやおろしの出始めの時期である9月はひと夏寝かせたことによる程よい熟成感や穏やかさのバランスが取れているので、この時期が最もおすすめです。

また、正式にはひやおろしに解禁日は設定されていません。ボジョレーヌーボーは毎年11月に解禁日が設定されており、解禁日を過ぎないとどのお店も販売することができないとのことです。ひやおろしはボジョレーヌーボーのように一斉に発売が開始される日というのは設定されていません。このため、9月ころから徐々にお店に並ぶイメージですね。

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ひやおろしを美味しく楽しむ飲み方

ひやおろしをより美味しく楽しむのにおすすめの飲み方は次のとおりです。

・ひやおろしのおすすめ温度:常温~熱燗

ひやおろしは「ひや」という言葉がつくことから「冷やして飲むと美味しいお酒」というイメージを持っている方もいるかも知れません。ですが、実際は冷蔵庫でキンキンに冷やすというよりはむしろ常温〜熱燗に向きます。

理由は次の3つです。

ひやおろしを常温〜熱燗で飲むのがおすすめな理由:
・ひやおろしはもともと香りが穏やか。温度上昇で香りが飛んでしまうことを気にしなくてもいいから
・温度が高くなるほど味を濃く感じられるから
・秋の肌寒い時期には熱燗がおいしいから

1つ目、ひやおろしは香りが穏やかなものが多いです。常温にしたり熱燗にしたりすることによる温度上昇で香りが飛んでしまうことを気にしなくてもよいです。というのも、日本酒は冷蔵保存された状態から常温、熱燗と温度があがるほど香りが飛んだり変化したりします。新酒などのフレッシュな香りが特徴の日本酒は加熱してしまうと、その特徴を感じられなくなってしまい楽しみが半減してしまいますが、ひやおろしの香りは穏やかなのでその変化の幅が小さく、加熱後も問題なく楽しむことができるのです。

2つ目、一般的に食べ物や飲み物は温度が高い方が味が濃く感じられます。
例えば、冷凍庫から出したばかりのアイスは程よい甘みですが、しばらく常温に放置して溶けはじめたものはかなり甘く感じますよね。日本酒も温度が高いほうが味が濃く感じられます。ひやおろしはまろやかで円熟した旨味が特徴なので温度が高くなるほどこの味わいをより楽しむことができます。

3つ目、秋の肌寒い時期には冷蔵庫で冷やした日本酒よりも熱燗が美味しく感じられます。ひやおろしは秋の初め頃から発売されます。秋口はだんだん気温が下がってくる時期ですよね。言うまでもありませんが肌寒い季節にはほどよい温度に温めた熱燗が美味しく感じます。ひやおろしは先程お話したとおり、常温~熱燗に向く日本酒なのでこの時期にぴったりなのです。

ひやおろしの入手方法

夏酒の入手方法は主に以下の2つです。

・酒販店(百貨店・デパート、地域の個人商店がおすすめ)
・ネット(予約購入がおすすめ)

酒販店は、百貨店やデパートなどのある程度高級なショッピングモールに入っている場所をおすすめします。
もしくは、住んでいる地域の酒販店がおすすめです。
東京に住んでいる方で近くにいい酒販店がない、どこがいいかわからないという方は、はせがわ酒店がおすすめです。

ネットで買う場合は、予約購入がおすすめです。店舗と比較して予約しやすいのがメリットですね。
発売される1ヶ月程度前から予約受付が始まることが多いので、時期が近づいてきたらお気に入り銘柄のショップをチェックしてみましょう。

ひやおろしのおすすめ銘柄

ひやおろしのシーズンは9月~11月です。
2021年のこのシーズンが来たら改めて旬な銘柄をご紹介しようと思います!
更新をお楽しみにお待ち下さい。

まとめ

今回はひやおろしについて詳しく解説しました。

・ひやおろしは秋の期間限定酒
・ひやおろしは冬場に造ったお酒を秋まで寝かせて出荷する日本酒のこと
・ひやおろしは一般的に二度目の火入れを行わない
・ひやおろしの味の特徴は、おだやかな香り、なめらかな口当たり、まろやかで円熟した旨味のある味わい
・ひやおろしの発売時期は9月〜11月
・ひやおろしのゴールデン期間は9月
・ひやおろしのおすすめの飲み方は常温~熱燗
・ひやおろしは酒販店かネットで入手できる

ひやおろしはひと夏寝かせることで円熟した旨味がでるとても美味しい期間限定日本酒です。日本酒の旨味を楽しみたいという方にはぜひ、ひやおろしがおすすめです。また、香りや味がまろやかで全体的にバランスが良いので初心者でも飲みやすい日本酒です。秋が近づくのを楽しみに待ちましょう!

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