フルーティで高級な日本酒はとても人気があります。
プレゼントとしても最も喜ばれる日本酒タイプの一つです。
ただ、自分で飲むなら良いのですがプレゼント用となると失敗は避けたいですよね。
年間180本の日本酒を飲む私が、失敗しないフルーティで高級な日本酒の選び方、おすすめ銘柄を紹介します!
自分用にもプレゼント用にもぜひ参考にして下さい!
日本酒が「フルーティ」ってどういうこと?

そもそも、日本酒の「フルーティ」とはどういうことなのでしょう?
日本酒はお米を発酵させることによって造られます。
お米を発酵させると、お米の成分の一部が変化することによりアルコールが発生します。そのため、日本酒はアルコールを含んだ「お酒」になるのですね。
お米を発酵させる過程で、アルコールの他にも発生するものがあります。
それが日本酒で「フルーティ」と表現される香り成分です。
日本酒特有の「フルーティ」な香り=吟醸香(ぎんじょうか)と呼ばれます。
吟醸香を醸(かも)し出す香り成分の中には、りんごやメロンなどと同様の香り成分が含まれるのです。
このため、日本酒はよく「フルーティ」と表現されるのですね。

へー、フルーティな日本酒ってほんとにフルーツと同じ成分入ってたんだ
フルーティな香りがする日本酒は初心者の方に特におすすめです。
なぜなら、フルーティな日本酒は、昔ながらの日本酒のイメージとは全然違ってとっても飲みやすいからです。
つーんとしたキツさや、独特の臭みがありません。
そして、フルーティで華やかな香りがふわーっと鼻に抜けます。
また、味わいは銘柄によってさまざま楽しめます。
フルーティな日本酒は初心者の方でもとっても飲みやすく、失敗のないタイプです。
簡単:フルーティな高級日本酒の選び方
フルーティな高級日本酒を選ぶためには、次の3つのポイントを抑えるのが簡単です。
ポイント1:「吟醸」というワードが入っている銘柄を選ぶ
表ラベルや裏ラベルに「吟醸(ぎんじょう)」というワードが入っている銘柄を選んで下さい。
「吟醸」とは「吟醸造り」という製法で造られた日本酒のこと。
「吟醸造り」とは、低温でじっくりと長期間発酵させることによりフルーティな香りなどを引き出す製法のことです。
だからラベルに「吟醸」と書いてある銘柄はフルーティな香りや味がするのです。
吟醸造りの日本酒は、たいていラベルに「吟醸」と書いてあるので簡単に見分けることができます。

吟醸って書いてあるやつね!
結構かんたん!
ちなみに吟醸造りの日本酒は全部で4種類。
- 純米大吟醸
- 純米吟醸
- 大吟醸
- 吟醸
いずれも日本酒の分類の中では高級な部類に属します。
吟醸造りは低温長期発酵が必要なため、手間暇や管理にコストがかるためです。
上記4種類はどれもフルーティな香りや味がしますが、それぞれ少しずつ特徴があります。
これらの違いを知りたい方は下記の記事を参考にして下さい。

ポイント2:精米歩合が低めの銘柄を選ぶ(60%以下がおすすめ)
精米歩合とは、日本酒の原料になる酒米をどのくらい削ったか?ということ。
精米歩合が高い=あまり削っていない
精米歩合が低い=よく削っている
ということを意味します。
精米歩合が低い=よく削られた酒米で造られた日本酒の方が雑味が少ないため、フルーティな香りや味を邪魔しません。
目安としては、精米歩合60%以下の銘柄を選ぶと良いでしょう。
ちなみに、精米歩合が低いほど、お値段はお高くなります。
その理由は、お米を削るほど廃棄する部分が増え、お米を削る技術自体も難易度が高く手間や時間がかかるためです。
ポイント3:ある程度の値段以上の銘柄を選ぶ
ポイント1:「吟醸」というワードが入っている
ポイント2: 精米歩合が低め
上記2つのポイントを満たせば、だいたいフルーティな日本酒を選ぶことができます。
ただ、ある程度の値段の銘柄を選んでおくのが失敗しないコツです。
目安としては、下記のとおりです。
720ml(四合瓶)で1500円以上
1800ml(一升瓶)で3000円以上
値段をケチって中途半端な銘柄を選ぶより、少々奮発して失敗のない日本酒選びをしましょう!
失敗しない:フルーティな高級日本酒おすすめ銘柄
ここまででフルーティな高級日本酒の選び方はわかったと思います。
では具体的にどの銘柄が良いの?という方に、おすすめの銘柄をご紹介!
味の種類ごとにまとめたので、参考にして下さい。
繊細で上品なタイプ
冬の月 純米吟醸 生酒
銘柄 | 冬の月 純米吟醸 生酒 |
酒造元 | 嘉美心酒造 / 岡山 |
特定名称 | 純米吟醸 |
精米歩合 | 58% |
香りの強さ | ★★☆☆☆ |
味の濃さ | ★★★★☆ |
甘味 | ★★★★☆ |
旨味 | ★★☆☆☆ |
酸味 | ★★★☆☆ |
キレ | ★★★☆☆ |
「おしゃれなフルーティ香と甘酸っぱさ」
強い甘酸っぱさが駆け巡り、フルーティな香りが鼻に抜けていきます。
旨味は控え目なので軽快に飲み進められてしまいます。(ちょっと危険なやつ)
雅楽代 玉響(うたしろ たまゆら)
銘柄 | 雅楽代 玉響(うたしろ たまゆら) |
酒造元 | 天領盃酒造 / 新潟 |
特定名称 | 非公開 |
精米歩合 | 非公開 |
香りの強さ | ★★★★★ |
味の濃さ | ★★★★☆ |
甘味 | ★★☆☆☆ |
旨味 | ★★☆☆☆ |
酸味 | ★★★★☆ |
キレ | ★☆☆☆☆ |
「上品なドライ感のある日本酒」
香りは酸味を帯びたフルーティ。
甘味と旨味は抑えられているから余計な味がせずドライ。
ピュアで上品な酸味を楽しむことができます。
心地よい刺激がありアクセント。
流行りのモダンなタイプ
No.6 R-Type
銘柄 | No.6 R-type |
酒造元 | 新政酒造 / 秋田 |
特定名称 | 純米酒 |
精米歩合 | 麹米55%、掛米65% |
香りの強さ | ★★★☆☆ |
味の濃さ | ★★★★☆ |
甘味 | ★★★☆☆ |
旨味 | ★★☆☆☆ |
酸味 | ★★★★★ |
キレ | ★☆☆☆☆ |
「モダン日本酒界のエース」
モダン=近代的な日本酒のエースNo.6。
日本酒好きなら言わずと知れた銘柄です。
尖った酸味と微発泡が印象的な一品。
この日本酒、まじでお米からできてるの?っていうくらいエッジが効いています。
ちなみに、No.6はR-type、S-type、X-typeがあり、R→S→Xの順で精米歩合が低くより磨かれた酒米で造られています。
その分、お値段も高くなっていきます。
個人的にはR-typeで十分、という印象です。
モダン仙禽 無垢
出典:美好屋
銘柄 | モダン仙禽 無垢 |
酒造元 | 株式会社せんきん / 栃木 |
特定名称 | 非公開 |
精米歩合 | 麹米50%、掛米60% |
香りの強さ | ★★★★☆ |
味の濃さ | ★★★★☆ |
甘味 | ★★★★☆ |
旨味 | ★☆☆☆☆ |
酸味 | ★★★★★ |
キレ | ★★☆☆☆ |
「シャインマスカットのような香り」
シャインマスカットのような西洋的でフルーティな香り。
尖っているけれど爽快な酸味を主体に、程よい甘みも。
特に白ワインが好きな方は気に入るタイプです。
口当たりが良く飲みやすいタイプ
綿屋(わたや)純米吟醸
出典:山中酒の店
銘柄 | 綿屋(わたや) 純米吟醸 |
酒造元 | 金の井酒造 / 宮城 |
特定名称 | 純米吟醸 |
精米歩合 | 55% |
香りの強さ | ★★★☆☆ |
味の濃さ | ★★★☆☆ |
甘味 | ★★★☆☆ |
旨味 | ★★★☆☆ |
酸味 | ★☆☆☆☆ |
キレ | ★★★☆☆ |
「優しく包み込むような甘さ」
優しい甘味が主体。
飲み口が柔らかで口当たりがとてもまろやか。
一方、最後にはほのかな余韻を残しつつすっときれる。
初心者にも安心の飲みやすさです。
すっきり飲みやすいタイプ
飛龍(ひりゅう)純米大吟醸
銘柄 | 飛龍(ひりゅう) 純米大吟醸 |
酒造元 | 新澤醸造店 / 宮城 |
特定名称 | 純米大吟醸 |
精米歩合 | 50% |
香りの強さ | ★★★☆☆ |
味の濃さ | ★☆☆☆☆ |
甘味 | ★☆☆☆☆ |
旨味 | ★☆☆☆☆ |
酸味 | ★★★☆☆ |
キレ | ★★★★★ |
「さっぱり!すっきり!食事に合うフルーティ日本酒」
弱すぎず強すぎないフルーティ香。
味はさっぱりしていて、キレもいいので、食中酒にぴったりです。
単純にさっぱりしているとつまらないのですが、飛龍は割と酸味が効いていたりするので面白さを感じられます。
迷っちゃう人は「飲み比べセット」
出典:幻の酒
「色んな種類を飲んでみよう!」
フルーティな高級日本酒色々ありますよ、とご紹介してきましたが、とはいえ見ているだけではわからないよ!という方もいらっしゃると思います。
そんな方は、まずちょっとずつ飲み比べしてみるのをおすすめします。
私も日本酒を飲み始めた頃はいろいろな銘柄を飲み比べてみました。
その結果、
「自分ってこういうタイプが好きなんだな」
「これは○○さんが好きそうな味だな」
ということがわかってきました。
まずは自分の舌で体験してみるのがおすすめです。
飲み比べセットは、色んな種類が入っているのでプレゼントする相手の好みを気にしなくても選ぶことができます。また、プレゼントを貰う側も選ぶ楽しみがあって嬉しく感じます。
下記のセットはボトルデザインも可愛く、日本酒やお酒が好きな方なら喜ぶこと間違いなしのセットです。
まとめ
フルーティで高級な日本酒について解説してきました。
- 日本酒でフルーティってどういうこと?
→発酵過程でフルーツと同じ成分が発生する - フルーティな高級日本酒の選び方
ポイント1:「吟醸」というワードが入っている銘柄を選ぶ
ポイント2:精米歩合が低めの銘柄を選ぶ(60%以下がおすすめ)
ポイント3:ある程度の値段以上の銘柄を選ぶ - フルーティな高級日本酒おすすめ銘柄
- 繊細で上品なタイプ
- 流行りのモダンなタイプ
- 口当たりが良く飲みやすいタイプ
- すっきり飲みやすいタイプ
- 迷っちゃう人は飲み比べセット
フルーティで高級な日本酒は自分用にもプレゼント用にも重宝します。
今回の記事を参考にして、自分や大切な人にぴったりの日本酒を選んで下さいね。